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InQrossカイゼン事例インタビュー③水すまし作業の動線分析とAGV導入検討

工場内の作業者の動線を可視化したイメージ

株式会社ムセンコネクトのInQrossサポートチームです。

InQross LITE』を実際にご活用いただいているスリーエムジャパンプロダクツ株式会社 岩手事業所のプロセスエンジニア・小原様にインタビューを行い、InQross導入の経緯や活用方法、ご感想などを伺いました。カイゼン方法の一例として参考にしてください。

事例の要点と概要
  • 課題:複数の工程にまたがる水すまし作業は、カメラや歩数計では実態がつかめなかった。
  • やったこと:『InQross LITE』で約2週間、作業者の位置・動線・歩数・滞在時間を計測した。
  • 結果:水すまし作業者の負荷が1日 約5万歩と数値で裏づけられ、AGV(無人搬送車)導入の提案根拠になった。
ご利用者スリーエムジャパンプロダクツ株式会社 岩手事業所
プロセスエンジニア 小原様
業種製造業
使用製品InQross LITE
データ取得期間約2週間
計測対象水すまし作業者、機械オペレーター(日勤・夜勤の複数直)
使用した分析ツール滞在ゾーン集計(滞在時間・滞在時間割合)/ゾーン間移動回数ヒートマップ/アクティビティチャート/位置・動作タイムライン
わかったこと水すまし作業者の歩行負荷=1日 約5万歩
実施した打ち手主要搬送ルートへのAGV導入提案
100点満点の評価90点
目次

【Before】現場でのお困りごとや改善したかったことを教えてください

弊社岩手事業所でプロセスエンジニアとして、動線分析・作業分析を担当しています。改善を進めるうえで作業者の行動パターンをデータで取得したいと考えていました。

課題は大きく二つありました。一つは「一つの作業であればカメラや歩数計でデータが取れるが、複数の工程にまたがる作業ではデータの取得方法がない」ということ。カメラによる分析は人の負担が大きく、時間もかかります。作業内容の内訳を把握するには作業者に1直ぶん張り付いて記録し、それを人数分だけ解析する必要がありました。

二つ目は「水すまし作業を改善したい」ということです。過去に歩数計を持たせたところ5万歩以上歩いていることがわかっており、AGV(無人搬送車)を導入できないか検討したいと考えていました。また弊社では夜勤になると機械オペレーターが水すまし作業を兼任するため、水すまし作業を減らせば生産性を上げられるのではないかとも考えていました。

いずれも、AGV導入の正当性を示すためのデータが必要でした。

分析対象としたエリア。作業者が動く範囲が資材置き場・作業エリア・製品置き場をまたいで広がっている

その改善にInQrossが役立ちそうだと思った理由を教えてください

製造業向けのIoTツール紹介セミナーのデモで、ツールの動きがよくわかったのがきっかけです。こんなに簡単に位置データが取れるのかと衝撃を受けました。しかも広い範囲でまとめてデータが取れるのが良かったです。その後、自社でトライアルのデモを実施して、使えそうな目処が立ちました。

他のサービスと比べて良いと思ったのは次の点です。

  • 今までの「カメラ」による分析は人の負担が大きく、時間もかかる
  • 他のサービスはサブスク型が多くてコスト的な負担が大きそうだった
  • データ出力はできても加工は自前でやらなければならないものもあったが、InQrossはデータ表示までできる

広範囲で作業者の位置データと動線、歩数や運動量が取得できるので、改善したいことに役立つと思いました。

InQrossをどのように使ってどのようなことがわかったのか教えてください

作業エリアにロケタグを設置し、作業者にヒトタグを持ってもらって計測しました。対象は水すまし作業者と機械オペレーターで、日勤・夜勤の複数の直で記録しています。

結果、日勤と夜勤の動きの比較、水すまし作業者の歩数、チョコ停に対する作業者の反応のデータが取得できました。

InQrossの設置方法や工夫したことなどがあれば教えてください

一つ注意点がありました。ロケタグを固定するときにグリップテープを使うと、電波が弱くなってしまいました。養生テープでは問題ありませんでしたので、固定に使うテープには注意が必要です。

ロケタグの配置。色のついた枠がそれぞれのロケタグの位置

データ取得期間を教えてください

2週間くらいです。日勤・夜勤の両方を含めて記録しました。

InQrossの分析ツールは何を使用しましたか?分析した結果、何がわかりましたか?

「滞在ゾーン集計」「ゾーン間移動回数ヒートマップ」「アクティビティチャート」「位置・動作タイムライン」の4つを使用しました。

まず、日勤と夜勤の動きの比較ができました。日勤は水すまし作業も機械オペレーター作業もそれぞれ専任ですが、夜勤は機械オペレーターが水すまし作業を兼任します。データで比べると、夜勤は水すまし作業を兼任しているため生産性がよくないことがわかりました。

次に、日勤の水すまし作業者は1日で5万歩以上歩いていることがわかりました。工程間の移動が多く、運搬に時間を取られて価値のある作業が減ってしまっている状態です。

また、チョコ停に対する作業者の反応もわかりました。すぐ対応する作業者と、そうではない作業者がデータで把握できます。

なお、InQrossから出力した作業位置のCSVデータと、機械設備のPLCのCSVデータを自社のAIツールに読み込ませて分析することもできました。チョコ停対応に対する作業者の反応がよくわかったのは良かったです。

各ゾーンの滞在時間。作業者ごとの、ゾーン別の滞在時間 ※作業者名は非公開のため置き換えています
各ゾーンの滞在時間割合。作業者ごとの、ゾーン別の滞在時間割合 ※作業者名は非公開のため置き換えています

【After】InQrossでの「見える化」を踏まえてどのような改善を実施したのか教えてください

AGVの導入を提案することができました。主要な搬送ルートをAGVに統一する計画です。

  • 水すまし作業の人員を削減できる目途が立った
  • 安全面を改善できる目途が立った(1日 約5万歩という高負荷作業の軽減)
  • 夜勤の水すまし作業が低減できて、生産性が上がる目途が立った

約5万歩という歩行実態がデータで裏づけられたことで、安全面と生産性向上の観点からAGV導入の予算化に向けた提案ができました。

AGV導入レイアウト案。緑がAGVの通路 ※設備の情報は非公開のため塗りつぶしています

InQrossはお困りごとの改善に役立ちましたか?100点満点で評価してください

改善に役立ちました。やりたいことに対する点数であれば90点です。残りの10点は、このあとお話しする困ったことや欲しい機能への期待です。

最後にInQrossをご利用いただく上で困ったことがあれば教えてください

設置や設定で困ったこと

前述したように、ロケタグの固定にグリップテープを使うと電波が弱くなってしまいました。養生テープでは問題なかったので、固定に使うテープの材質には注意が必要だと思います。

運用で困ったこと

作業者が速く動いたときにデータが取得できないことがありました。荷物を持って歩くような歩行スピードが遅いときはデータが取れているのですが、荷物を置いて身軽になり、速くなるとデータが抜けていました。

その他

ゾーン(エリア)の色分けができたのは良かったのですが、データの見せ方をもっと選べると良かったです。円グラフに切り替えられたり、スライサーのように絞り込めたりすると便利だと思います。プレゼンのために自前で加工しないといけないことがありました。

また、作業内容をメモできるように音声入力ができるとよいと思いました。

スリーエムジャパンプロダクツ株式会社 岩手事業所の小原様、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。InQrossご利用時のお困りごとやご要望は今後の商品開発に役立てさせていただきます。

InQrossに関するよくあるご質問

動線分析ツールのデータは、AGVなどの設備投資の根拠になりますか?

なり得ます。この事例では、水すまし作業者の歩行負荷が1日 約5万歩であることを実測データで示し、AGV導入提案の根拠として活用されました。「大変そうだ」という定性的な説明を、投資判断に使える数値に置き換えられる点が動線分析の役割です。

カメラや歩数計による分析と何が違いますか?

カメラは記録も解析も人の負担が大きく、歩数計は「どこで」歩いたかがわかりません。InQrossは位置・動線・滞在時間・歩数・運動量をまとめて自動で取得できるため、複数の工程にまたがる作業の実態を把握しやすくなります。

データ取得にはどのくらいの期間が必要ですか?

目的によります。この事例では日勤と夜勤を比較するため約2週間計測しました。単一の作業の稼働状況を把握するだけであれば、1日でも有益なデータが取れた事例もあります(カイゼン事例①フォークリフトの稼働率調査)。

データが取れないケースはありますか?

あります。InQrossは位置の確定に約3秒を要するため、計測ポイントを通過するスピードが速いとデータが欠落する場合があります。この事例でも、作業者が身軽になって早足で移動した区間でデータの抜けが見られました。計測対象の動き方をあらかじめ想定してロケタグを配置することが重要です。

ロケタグはどのように配置するのがよいですか?

人の胸の高さ付近への設置を推奨しています。ロケタグ同士は2〜3メートル離し、測定したいエリアの出入口と中心付近をカバーするように配置すると、そのエリアにいたことを確実に捕捉できます。固定に使うテープの材質にもご注意ください。この事例ではグリップテープを使用したところ電波が弱くなり、養生テープでは問題ありませんでした。

自社の現場で使えるか相談したい方へ

「この工程で測れるか?」「どのくらいの範囲をカバーできるか?」など、個別のご相談を承っております。お気軽にご相談ください。

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