フォークリフトの稼働率は「感覚」ではなく「実測」で管理する時代です。台数が足りないのか?実は余っているのか?それを判断するには、「いつ」「どこで」「どれだけ」動いていたかを継続的に見える化する必要があります。
本記事では、稼働率の測り方と現場に合った見える化ツールの選び方をご紹介します。
- 稼働率は「実稼働時間 ÷ 就業(保有)時間 × 100」。まず現状を数値で把握することが、増車・削減・再配置すべての判断の起点になる。
- 測り方は大きく3つ(手書き日報/車載テレマティクス/位置測位)。それぞれ精度・手間・コスト構造が異なる。
- ツール選定は「測定方式」「精度」「後付けのしやすさ」「導入負荷」「データ活用」の5軸で比較すると失敗しにくい。
- 【実例】フォークリフト3台にタグを取り付けて1日測定した結果、そのうち1台の稼働率が9.2%と判明。3台→2台へ削減し、リース解約で年間60〜70万円の経費削減に成功。
フォークリフト稼働率とは(定義と計算式)
フォークリフト稼働率とは、保有(または就業)している時間のうち、実際に稼働していた時間の割合を指します。代表的な計算式は次のとおりです。
稼働率(%)= 実稼働時間 ÷ 就業時間(または保有時間)× 100
あわせて押さえておきたいのが「時間稼働率」と「台数稼働率」の違いです。
時間稼働率は1台がどれだけ動いたか、台数稼働率は保有台数のうち何台が実際に使われているかを表します。両方を見ることで「台数が過剰なのか、それとも不足なのか」、増車すべきか削減すべきかの判断が見えてきます。
なぜ「稼働率の見える化」が重要か
稼働率を見える化できれば以下のようなメリットにつながります。
- 人手・車両コストの最適化:
稼働率が低ければ台数・リース費の削減余地あり、高すぎれば増車や配置見直しの根拠になる。 - 現場改善(IE/カイゼン)の起点:
どのエリアで待ち・空走が発生しているのかわかれば、動線やレイアウトの改善につながる。 - 安全管理:
稼働状況を把握することで、過密運用や特定エリアへの集中といったリスクの早期発見に役立つ。 - 属人化の解消:
「ベテランの感覚」など、個人に頼っていた稼働判断を、数値(データ)に置き換えて客観的に判断できる。

実稼働時間の測り方 3パターン
稼働率を算出するには「実稼働時間」が必要です。代表的な実稼働時間の測り方を3パターンご紹介します。
① 手書き日報・目視記録
圧倒的に導入が簡単です。一方で、属人的な方法であるため記録漏れなどのヒューマンエラーが発生しやすく、主観も入ります。フォークリフトは移動が速く範囲も広いので、目視監視は台数分の監視者が必要になり負担も大きくなりがちです。
② 車載テレマティクス(車両搭載の稼働ロガー)
エンジンや電源ON/OFFによる稼働時間は正確に取れます。「どのエリアで動いていたか(位置)」まで把握できるかは機種次第です。また、車両ごとの機器導入が前提となるため費用負担が大きくなります。
③ 位置測位(GPS/カメラ/BLE測位など)
稼働時間に加えて「どこで」動いていたのかまで見える化しやすい方法です。ただし、「屋内外の測定可否」「精度」「後付けのしやすさ」などは測定方式(見える化ツール)によって変わり、一長一短です。
見える化ツールの選定ポイント(比較軸5つ)
稼働率を求めるにあたり、実稼働時間の取得だけでなく位置情報まで取得したい場合には「見える化ツール」の導入が便利です。
見える化ツールの選定ポイントは以下の5つです。
- 測定方式:
必要なのは稼働時間だけか、位置(エリア)まで取りたいのか。改善につなげるなら位置情報があると便利。 - 精度:
必要な位置情報は「1m単位の正確な座標」なのか、「エリア/ゾーン単位の滞在」なのか。精度は良いに越したことはありませんが、コストとのトレードオフになります(過剰な精度はコスト増になるので注意)。 - 後付けのしやすさ:
既存の設備・車両を改造せずに導入できるかどうか。さらに工事が必要なのか、現場を止めずに始められるのか。 - 導入・運用負荷:
機器の設置、電源や通信設備の確保、電池交換などの手間はどうか。現場担当者だけで運用できるかどうか。 - データ活用:
取得データをレポートやグラフ形式で確認できるか、カイゼン施策に活用できるかどうか。
位置測位の3つの方式と向き・不向き
前述のように、位置測位には主に3つの方式があります。どれも一長一短ですので、自社の現場条件に合わせて選びましょう。

| 測位方式 | 向いている場面 | 弱み・注意点 | 屋内 |
|---|---|---|---|
| GPS/GNSS | 屋外・広い敷地での位置把握。追加のインフラ設置が少ない | 屋内・建屋内は電波が届きにくく精度が落ちる | △ |
| カメラ画像解析 | 特定エリアの詳細な動作分析。映像で状況を確認できる | カメラ設置・画角調整・プライバシー配慮が必要。広範囲は台数増 | ○ |
| BLE測位/IoTタグ | 屋内をエリア単位で継続的に把握。タグを付けるだけで対象を増やせる | 数十cmレベルの正確な位置判別には不向き | ◎ |
- 屋外や広い敷地で、おおまかな位置を把握したい → GPS/GNSS
- 特定の工程やエリアで、作業内容まで細かく分析したい → カメラ画像解析
- 屋内で、どのエリアにどれだけいたかを継続的に測りたい → BLE測位/IoTタグ
フォークリフトの稼働率調査のように「屋内」で「エリア単位の滞在と稼働」を「継続して記録したい」というケースでは、BLE測位がおすすめです。
BLE測位を選ぶときに確認したいこと
BLE測位が自社の目的に合いそうな場合でも、製品(ツール)によって導入の手間や条件は大きく変わります。失敗を回避するため次の3点を確認しておきましょう。
- 機器の設置方法:
設置方法が容易かどうかです。電源確保のために設置場所の制約があったり、配線工事が必要な場合もあります。 - 導入までの期間:
導入に伴うシステム設計、設置工事、機器の設定や調整を含めると、数日から数週間かかる場合があります。短期間で試したいのか、恒久的に設置したいのかで選ぶ製品が変わります。 - 測れる位置の粒度:
BLE測位はエリア単位の把握に適しています。数十cmレベルの精度が必要な場合には、別の測位方式を検討した方が良いです。
InQross(カイゼンメーカー)の場合

InQrossは、現場の「動き」をタグで見える化するカイゼン支援ツールです。人だけでなく、フォークリフトなどの車両やモノにタグを取り付けても、滞在位置と動作状況を可視化できます。
- ①機器の設置方法
-
工事は不要です。タグと受信機は「貼る・置く」だけで計測を始められます。電源工事や配線工事は必要ありません。
- ②導入までの期間
-
設置から利用開始まで、最短で約2〜3時間が目安です。工事が不要なため、現場を止めずに始められます。※測るエリアの広さやロケタグの台数、動作確認後の調整によって前後します。
- ③測れる位置の粒度
-
位置精度(誤差)は約2mです。エリア単位での滞在把握に適していますが、非常に狭い範囲での細かな位置判別には向きません。
タグの構成
- ヒトタグ:計測したい対象(作業者・フォークリフトなど)に取り付けるタグ
- ロケタグ:計測エリアの基準として設置するタグ(区画の四隅などに配置し「エリア判定」に使用)

取得できるデータ
- エリア別の滞在位置と滞在時間/エリア間の移動回数
- エリア別の動作と動作時間、動作量(運動量・歩数)
- 分析ツール:アクティビティチャート(動作量・動作割合)、位置・動作タイムライン、動作分類付き測位ガントチャート など。データはCSVで自動出力され、詳細分析にも使えます。
仕様の目安
| 測位方式 | BLEビーコン方式/位置精度(誤差)は約2m |
|---|---|
| 更新間隔 | 位置は3秒ごと、動作は200msごと |
| 対応環境 | 屋内での利用を想定/電波が通る環境/広さの目安は最大200m×100m/温度は-10℃〜60℃ |
導入に必要なもの
- 最小セット:ヒトタグ5個+ロケタグ15個+受信機1個(ヒトタグ・ロケタグはそれぞれ100個まで追加可能)
- 広い範囲をカバーするWIDE版では、ゲートウェイとアクセスポイントが必要です。


導入事例:フォークリフト3台→2台へ(年間60〜70万円の経費削減)
実際にInQrossでフォークリフトの稼働率を調査し、台数削減につなげた事例をご紹介します(テクノエフアンドシー株式会社 改善推進室様)。
課題
- 役員から「工場のフォークリフトの稼働状況を調べ、台数削減が可能か検討してほしい」との指示。
- しかしフォークリフトは移動が速く範囲も広いため、目視監視には3台分=3人の監視者が必要で現実的でなかった。
測定方法
- フォークリフト3台(A・B・C)に「ヒトタグ」を取り付け(電波干渉を考慮してフロントガラスに設置)。
- 作業エリア約70m×20mを9区画に分け、区画の四隅に「ロケタグ」を設置して「エリア判定」で計測。
- 準備2日+データ取得1日の計3日間。1日の計測でも有益なデータが取得できた。
わかったこと
- アクティビティチャートの動作割合から、フォークリフトCの稼働率が9.23%と極端に低いことが判明(A 25.24%/B 30.03%)。この値は、タグが記録した動作割合を、休憩時間を考慮した作業時間(505分)で換算した本事例での目安です。
- 測位ガントチャートでの比較により、Cの稼働中にAとBはほとんど動いておらず、同時稼働の必要がないことも確認できた。

成果
- フォークリフトを3台から2台へ削減。リース1台の解約により月額5〜6万円(年間60〜70万円)の経費削減を実現。
- 監視者3人が必要だった調査を1人で実施できるようになった。
導入時のポイント(ご利用企業様の声)
- タグの設置設計は事前に行いますが、現場での合わせ込みは2人で作業するとスムーズです。

導入の進め方(まずは小さく試す)
位置測位ツールは、いきなり全社導入はせず「一部エリアで試して効果を確かめる」のが失敗しにくい進め方です。InQrossでは次のステップで始められます。
自社の現場(屋内/屋外・広さ・課題)を共有し、測れるかを確認。
ヒトタグ2個・ロケタグ8個・受信機1個の構成を2週間お試しいただけます。3台以上の同時比較など、標準キットで不足する場合はご相談に応じます。
対象エリア・台数を広げて運用。
よくある質問(FAQ)
- フォークリフトなどの車両にも取り付けられますか?
-
はい。ヒトタグを車両に取り付けて計測できます。実際の事例では、電波干渉を考慮してフォークリフトのフロントガラスにタグを設置し、3台の稼働状況を計測しました。
- 既存の設備を改造せずに導入できますか?
-
はい。後付けで導入できるため、既存設備の改造は不要です。工事も必要ありません。
- 屋外のヤードでも使えますか?
-
InQrossは屋内での利用を想定した製品ですが、屋外でのご利用ができないわけではありません。対応可否や適した構成は、広さ・電波環境・設置条件によって変わります。屋外での活用をご検討の場合は、現場の状況をお聞かせいただければ個別にご提案しますので、お気軽にご相談ください。
- どのくらいの精度で位置が分かりますか?
-
位置精度(誤差)は約2mです。エリア単位での滞在把握に適しており、非常に狭い範囲での細かな位置判別には向きません。
- 導入までどのくらいの期間がかかりますか?
-
設置から利用開始まで、最短で約2〜3時間が目安です。測るエリアの広さやロケタグの台数、動作確認後の調整によって前後します。掲載事例では準備に2日、計測に1日をかけ、台数削減の判断材料となるデータを取得しました。
- まず試してから決められますか?
-
2週間の無償トライアルをご用意しています。3台以上の同時比較など、標準キットで不足する場合はご相談に応じます。
まとめ
フォークリフト稼働率は、まず実測して現状を把握することが、増車・削減・再配置すべての判断の出発点になります。測定方法や見える化ツールはどれも一長一短ですので、現場の条件に適したツールを選ぶことが肝要です。
InQrossは簡単に導入でき、車両にも後付けできるBLE測位ツールです。1日の計測で低稼働の車両を特定し、3台の同時稼働の状況も確認したうえで台数を削減し、年間60〜70万円の経費削減を実現した事例もあります。
自社の現場で稼働率を測れるか知りたい方は、お気軽にご相談ください。2週間の無償トライアルもご用意しています。
